趣旨
イノベーションを主軸に社会をデザイン化すると、社会はどう変わるか。主体的意思(=イノベーション意思)を持って環境・コミュニケーション・エンジニア・教育などの様々な問題に取り組むことにより、未来の日本を明るくすることができるのではないか。さらに日米のオピニオンリーダーがより関係を密にし、意見を交えることでよりよい効果が期待できる。イノベーターであるキース氏の話を聞いてその足がかりを掴み、デザインの力を学び共有するのがこの会の趣旨である。

キース氏のプレゼンテーション
デザインを使った2つのモデルの紹介:
ある問題に対する円満な解決策を見いだすには、その問題に対する考え方を変えなければならない。問題に対する考え方を変えるには、その対象(問題)をよく理解する必要がある。
立ちはだかる壁にぶつかり、それを乗り越えたかと思うとまた新たな壁が現れる、その繰り返しのように見える。しかし壁を一つ乗り越えたということは、対象への理解がより深まったとも言えよう。

●モデル1:
You - Duos - Innovation Teams - Customer Value (Internal value)
Customer Value - Societal Value - Company Value -Shareholder Value (External value)
のラビリンス
デザインとは、あるシステムの中で価値を可視化することであると言えよう。それは新しい価値の創作・模索である。真に優れた会社とは、自らが価値を創造する技術に優れ、それが無限大であり、「我々は豊饒な世の中に住んでいる」と信じる会社である。
デザイナーの使命は、ユーザーにとっての価値とは何であるかを考えることにある。しかし、ユーザーにだけ注目していては壁にぶつかってしまう。そこで時間軸を広げ、価値を作ることに重きをおき、クライエントの会社の中にいる個々人に "You Level" を芽生えさせることが大切となる。
1)YOU
豊富な「新しい価値」を生み出す第一の要素は、個人である。組織のリーダーは、組織の中の個々人が生き生きとし、情報に通じ、色々な物事に関心を持てるような環境を作り出すべきである。そうすることによって、組織に所属する全員が常に自分そのものを社会に十二分に打ち出していけるからである。
個人の持つ才能は、その個人が周りから愛されていると感じ、恐れから解放されたときにのみ開花する。自身の組織を顧みたとき、自分自身に問いてほしい。より強い関係性を築く上での個人の価値とは?働きがいのある仕事をし、やりがいのある役職を持つ上での個人の価値とは?自分が愛されていると感じる上での個々人の価値とは?それを考えた上で、これらの問いに対する改善にあたってしてほしい。
[問い]
・個人が、自分は周りから愛されていると感じることによって
・個人が、恐れを感じることを減らすことによって
・人々が生き生きとなれるような環境を整えることによって
・個人が、世の中の物事により関心を持つよう意識の向上を計ることによって
・世の中を別の視点から捉えることを推奨することによって
・最終的に可能性に満ち豊かな社会を作り出すことによって
・・・我々は新しい価値を生み出すことができるだろうか?
デザイン会社は経験・理解・目的のデザインを計る
→デザインをすることにより個々人レベルにする=完全にし、生き生きとさせることに繋がる。
※生き生きとする/認識するとは?
=クライアントが多角的な世界の見方をし、色々な考え方にオープンであること。
個々人がオープンになり、それに刺激を受ける→好ましいクライアント
2)DUOS
個人レベル(YOU Level)での働きかけは、ペアとなる個人と個人の間に可能性という価値を生じさせる。なぜなら、活力に溢れる個人と個人が一緒になりDUO関係を築くと、およそ全てのことが可能となるからである。それは単なる「いたら嬉しい」関係ではなく、「必要不可欠」な関係へと変わる。
今日、物事に挑戦し可能性を模索するには自分一人の視点では足らず、複数の考え方や視点が必要とされる。強力なDUOは、各々が持つ別分野のノウハウを合わせることにより、一人ではなし得ないようなものを創造することができるのである。DUO関係の締結は得るところが大きく非常に価値が高い。強力なDUOとして働くことは、組織内に新たな価値を生み出すといえよう。
[問い]
・ 正しいDUOを組織内につくることによって
・ DUOを組む個人が善意と好意を持って互いに接することによって
・ 他人を一方的に判断しないよう促すことによって
・コミュニケーションの量を増やすことによって―オープンに、誠実に、そして徹底的に
・DUOに、二人が共有し新しい価値を生み出すような難しく意味のある仕事を与えることによって
・・・我々は新しい価値を生み出すことができるだろうか?
<Duoの無限大モデル>
成功する会社とは、他社との関係を非常に大切にする会社である。
○ "Duo / Pair":なぜ Pair が望ましいか?
→イノベーションを解決・成功させるには一人では不可能である。我々の仕事は、二人がペアとなり刺激しあう・助けあうことにより、コミュニケーションを深め、円滑に物事が運ぶように働きかける。
例:マーケティングの長と販売の長がペアとなる→最強のDuoに
エンジニアとユーザーインタフェイスがペアを組む→最強のDuoに
Duo とはイノベーションチームにより近い。それぞれのチームがDuoに入ればイノベーションがよく働く。我々の仕事とは、経験をDuoでも個人でも実現/構成し、困難を乗り越える・作り出すことである。そしてデザインの力により、顧客や社会的地位に影響を与え、イノベーションチームに働きかけるのである。
○ 西山[意見]
Duoの無限大モデル―船橋と西山
昨年1月に開催した Ice Break session では、社会の価値を広げるにはどうするかを検討した。そこでは予想以上の効果があった。ソーシャルバリューが上がり、コストマーバリューも上がり、株主価値も上がり、出資者もジャパンソサエティーも皆ハッピーな結果となった。異なる企業が出会うことにより、このモデルのもとで同じようなことが起こると言いたい。

○ 田川[質問]:Trio より Duo なのはなぜ?
○ キース[返答]:関係を築くのに一番安全なのが二人だから。強い結束力(Duo プロテクション)により二人は守られるが、二人であるが故に何かしら問題が生じた時は他に責任転換できない。そこに逃げ道はない。問題を乗り越える為に対処せざるを得ないのである。そのような点でもDuoの絆は強い。デザインの力によりDuoが関係を成立させると、二人の信頼関係は確立される。
○ 前田[質問]:デザインは仕事をする上で毎日している。どうやって触媒的に働きかけるのか?
○ キース[回答]:例えばデザイナーとライターとセットでDuo関係を成立すると、より良い結果を生じさせることができる。
3)INNOVATION TEAMS
強力なDUO関係は、個人が互いを信頼し互いを励まし合いながら共同作業をする能力をマスターする場でもある。一度その技能が磨かれると、その技能はイノベーションチームが成功する為の基盤を構築する要素となる。強力なDUO関係がふさわしい場所に配属されることにより、チームそれ自体がメンバーとの間に絆を持つようになり、グループが積極的に動くようになる。
全てのイノベーションチームの目的は、明確に現状を見据え(see)、新しい価値を創造する可能性を信じ(believe)、どのようにその価値を得るかを創造的に考え(think)、そして新しい価値を持ち込むような活動をする(act)為に、より大きな組織を呼び集めることにある。これがsee-believe-think-act のサイクルであり、可能性を現実のものとする手段である。
[問い]
・正しいイノベーションチームに正しく強力なDUOを参入することによって
・チームに世の中を別の角度から見るよう勧めることによって
・ 彼らの信念を発展させることによって―どこで価値が創造されるのか、どうやって創造するのか、何が可能なのか?
・ イノベーションを通して考え、新しいタイプのリーダーシップを望むことによって
・ 顧客と社会の為に活動することを余儀なくするよう組織の活動をまとめることによって
・・・我々は新しい価値を生み出すことができるだろうか?
4)CUSTOMER VALUE
もしあなたがリーダーとして十分に物事に通じ、十分に生き生きとしている個人で、強力なDUOを構成し、野心的なイノベーションチームのよりどころとなったら・・・。あなたの顧客はその成果の受益者となるのです。あなたの組織は優れた製品、サービス、ブランドや経験などを生み出すでしょう。なぜ優れているかと言うと、個人がとても生気に溢れているので、顧客が何に飢えて何を望んでいるかを理解できるからです。DUOは顧客の本質的な問題を解決する勇気と信頼を築いたのです。イノベーションチームは物事を妥協することはありません。問題の核心を突く解決策を導きだしたのです。
[問い]
・ 満たされていない需要に注目することによって
・ 機能的であるだけでなく、意義深い商品やサービスを発達させることによって
・ 組織外のためのみの解決方法だけでなく、組織内で難しいイノベーションを起こし、顧客がやりやすい道を提供することによって
・全ての製品(成果)やサービスを、すばらしい経験値でラッピングすることによって
・強力なブランド力を発達させることにより、あなたが提供する価値を顧客が理解することによって―経験の中におけるそれぞれの段階で
・・・我々は新しい価値を生み出すことができるだろうか?
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