home_markHome arrow コラム・アーカイブ arrow 書籍紹介 arrow 書籍「Think! No.22 -デザイン思考力-」
書籍「Think! No.22 -デザイン思考力-」
ライター: 蘆澤雄亮   
2007年08月01日(水)
本日は新しい書籍を一冊。それは、東洋経済新報社の季刊誌「Think!」の2007年夏号です。この号の特集は「デザイン思考力」です。デザイン思考力とは?それは、冒頭のこの一説をお読みください。

これからのビジネスの世界でキーワードになるのは「デザイン」だ。デザインとは、表面を美しく見せることに加えて、「設計する」「立案する」「進路を指し示す」という意味も含む。問題解決のために思考や概念を組み立て、それをさまざまなカタチで表現することであり、それができる能力を「デザイン思考力」と呼ぶことにする。
(「Think! No.22」 , 東洋経済新報社,P.13)

つまりは、「未来を先読みし、それを具現化する行為がデザインである」と述べているワケですね。まさにその通りだと思います。中でも、最もボクの目を引いたのは「デザインは仕組みづくりにシフトする」というような事が多く書かれていたことです。これもまさにその通りだと思うんですね。先日のツォルフェライン大学のセミナーにも通じてくるのですが、いわゆるカスタマイズの世の中になった場合、デザインの核は"何を"カスタマイズする・させるか?になってくると思うんですね。となると、デザインとはいわゆる"ものづくり"ではなく、仕組みづくりに注力せざるをえなくなると思います。それは何故かというと、色・モノ・カタチのデザインでは、儲からなくなるし、それはプロフェッショナルである必要性がなくなるからです。

それが現在、最も顕著に現れているのは、グラフィック・Webデザイン業界なのではないかとボクは思います。いわゆる巨匠と呼ばれている人や実績のある人・アーティストなどは、また話が違いますが、いまやグラフィック・Webデザインは、"視覚"というフィルターを用いて何かしらのソリューションや仕組みを示さないと、やっていけなくなりつつあります。何故それを感じるかというと、ボクの知り合いのWebデザイナーは、皆そのような状況にあるからです。例えば、このブログにしても一昔前であれば、どこかの企業に発注して作っていたと思います。ですが、いまや30分もあれば簡単に見栄えの良いブログが構築できます。とすると、発注する必要がなくなります。そうなるとWebデザインの会社は、「Webが作れます」というだけでは、儲からなくなるんですね。そのためWebデザインであれば、Webというツールを使ったソリューションを提示しないと意味がなくなってしまうワケです。これと同じことが様々な業界に適応できるようになってしまうのではないかと思うんですね。

そうなると、やはりデザインの核は「仕組みづくり」になっていかざるをえないと思います。ですが、考え方によっては昔からデザインは仕組みづくりをやっていたとも言えるんですけどね。例えば、先日お亡くなりになられた黒木靖夫さんが開発された「ウォークマン」なんかは、まさに仕組みづくりそのものだったと思いますし、他にも様々な事例はあります。というわけで、デザインが昔に比べてどう変わったかと言われると、その根本に変化は無いのですが、根本をしっかり押さえていないとやっていけなくなってきているという状況にはなりつつあるのではないでしょうか。

と、長くなってしまいましたが、機会があれば一度「Think! No.22 デザイン思考力」を読んでみてはいかがでしょうか。また、東洋経済新報社の方がご覧でしたら、一度デザインリエゾンセンターまで遊びに来てください。一緒にデザインを盛り上げていきましょう。お待ちしております。

「Think! No.22 デザイン思考力」に関して言及しているブログを探してみました。ご参考までに。
DESIGN IT! w/LOVE 「Think最新号の特集は「デザイン思考力」
王様の耳はロバの耳の穴 「デザイン思考力 」

 
< 前へ   次へ >