| デザインのコトバ「Affordance -アフォーダンス-」 |
| ライター: 蘆澤雄亮 | |
さて、今日は「Affordance -アフォーダンス-」という言葉についてです。この言葉は、現在のデザインにおいて重要な概念です。特にインターフェイスデザインの分野では欠かすことのできない概念といえるでしょう。そもそもは、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソンによる造語であり、afford(~を与える)に接尾語-anceを加えて名詞、形容詞化したものです。
これまでの知覚、認知とは異なった見地から物と人との関わりを定義しており、自分以外のモノやコトを「自発的に操作する・操る」のではなく、モノやコトが「そのように操作・操ることをアフォードして(与えて)いる」と考える概念です。例えば、D.A.ノーマンの本を引用すると、下記の通りになります。 椅子は、支えることをアフォードする(支えるための)もので、それゆえ座ることを可能にする(座ることをアフォードする)。椅子は運ぶこともできる。ガラスは透き通して見たり、壊したりするためのものである。木は普通、堅さや不透明さが必要なとき、支えるとき、彫刻するときに使われる。平らで水分を通して、なめらかな表面はその上に書き込むのによい。それゆえ、木は書き込むためのものである。 つまり、ドアノブはドアを開けることをアフォードするものであり、ドアノブは回すことをアフォードすると考えるワケです。それが、本来の目的に沿わないものであっても、アフォードしてしまっていると考えなければなりません。例えば、道路にある「柵」は座ることをアフォードしたりもします。引き戸を押してしまったとしたら、その引き戸は押すことをアフォードしてしまっているといえるのです。 では、何故この概念がデザインする際に重要になるのでしょうか?それは、「ユーザーは必ずしもデザインする側の意図に沿うワケではない」ということを示しているからです。得てしてデザインする時というのは、デザインする対象に没頭するあまり、ユーザーをおいてけぼりにしてしまう事があります。その際に、このアフォーダンスという概念を用いて「その対象は何をアフォードしているのか?」を考え直すという事が重要になるのです。現在では、アフォーダンスという言葉はあまり用いられず「ユーザーオリエンテッド」という言葉で考えられる事が多いですが、ユーザーオリエンテッドにおいても、アフォーダンスという概念は重要な要素といえるでしょう。ユーザーオリエンテッドについては、また次の機会にご紹介します。 オススメ書籍 誰のためのデザイン?認知科学者のデザイン原論 D.A.ノーマン著 上記のアフォーダンスの概念をもとにデザインする際に必要な7つの原則について述べている。内容が非常に高度にもかかわらず、語り口調で書かれており、非常に読みやすい本です。デザイナー必須の一冊。全てのデザイナーの家にこの本が置いてあるといいなぁ~と思う次第です。デザインを学ぶ方には是非とも読んでいただきたい一冊です。
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さて、今日は「Affordance -アフォーダンス-」という言葉についてです。この言葉は、現在のデザインにおいて重要な概念です。特にインターフェイスデザインの分野では欠かすことのできない概念といえるでしょう。そもそもは、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソンによる造語であり、afford(~を与える)に接尾語-anceを加えて名詞、形容詞化したものです。
