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書籍「クリエイティブ資本論」
ライター: 蘆澤雄亮   


さて、本日ご紹介する書籍は「クリエイティブ資本論」です。この本はリチャード・フロリダというトロント大学ロットマン・スクール・オブ・マネジメントの教授が執筆した本で、その訳本なのですが、実は第2弾の「クリエイティブ・クラスの世紀」が先に発刊され、その後に発刊されています。何故、第2弾が先であったのかはわかりませんが、第2弾を読んでからこの本を読むと「あ~、なるほど。」と納得することが多々あります。第2弾がクリエイティブ社会到来にあたっての諸問題の追求であるとしたら、第1弾のこの本は「クリエイティブ社会って?」といったところでしょう。

さて、肝心の中身について少しばかりご紹介いたします。
この本は基本的に「今日の経済は情報を中心とした"知識"がリードする経済構造となっている。」(クリエイティブ経済)ということを念頭に進みます。もちろん、そのことに対する説明も十分過ぎるほど解説されています。なにせこの本、ハードカバーで本文ページ数が409ページです。そう、かなりのボリューム感ある本なのです。というわけで、ここでかいつまんで説明するのも難しいぐらい様々な事に言及しています。なので、本日は一番"おいしい"と思われる部分についてのみ言及しようかと思っております。

さて、著者のリチャード・フロリダ教授、基本的には社会学者です。一番の専門は都市社会学ということで、この本でも基本的には都市社会学の話になっています。第2弾では、この本の話を前提に経済にウエイトを置いた展開になっています。というわけで、経済に興味のある方は、まず「クリエイティブ・クラスの世紀」をお読みください。
と、前置きはさておき、内容的には「クリエイティブ経済において繁栄する都市とはどのような要素を持ちうるのか?」ということが、非常に様々な視点から語られています。

そして、おそらく彼の最も主張しようとするところは「経済成長の3T」です。3Tについては以下の通りです。

技術(Technology)

才能(Talent)

寛容性(Tolerance)

と、ここでキチンと押さえておかなければいけないのは、この3つがあれば経済は活性化するという楽観的な話ではなく、この話自体が根本的に「経済成長に最も重要な役割を果たすのは"人間"である」ということがベースとなっているということです。つまり、素晴らしくクリエイティビティを持った人間を集める都市に必要な要素として「3T」が必要だということが彼の主張となります。

この主張の中で非常に面白いのが3番目の寛容性(Tolerance)なのではないでしょうか。都市に寛容性が必要であるというのは、中々お目にかかることの少ない主張です。ですが、読んでみつつ色々と思い返してみると「あ~、たしかにそうかも。」と思うところがあります。そういった点においても、読んでみて非常に興味深い本です。恐らく、これからの社会において重要な位置づけの本になるのではないかと思います。

というわけで、皆様是非ともご一読してみてください。

最終更新日 ( 2008年05月08日(木) )
 
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